レプトスピラ
2015年09月30日|原核生物|回転・変形, 淡水, 複雑系マシナリー
学名
Leptospira biflexa
レプトスピラ・バイフレクサ
分類
細菌・スピロヘータ門 スピロヘータ綱
サイズ
長さ:6-12 μm 幅:100 nm
特徴
細胞内に2本のべん毛を隠し持ち、コイル状の体を高速で回転させながら進む。ネバネバしたところで速く泳ぐのが得意。
説明
細胞の両末端に1本ずつべん毛を持つが、その外側を外膜が覆っているため、外からべん毛を見ることはできない。コルク抜きのような菌体の回転速度は1秒間に100回転以上。水中では1秒間に5 – 15 μm進む。メチルセルロースのような高分子が溶けたネバネバの環境中では、水の中よりも速く泳げる。
出現場所
川、池、水たまりなどに住んでいる。
L. biflexaは無害だが、病原性を持つ Leptospira interrogans の保菌動物は幅広く、ラットなどのげっ歯類、豚や牛などの家畜、犬などのペットから見つかる。動物の腎臓に定着して増殖する。
メモ
まっすぐ遊ぐときには、菌体の両端が大きく変形する。前側はピッチがゆるやかな左巻きらせんで、後ろ側は半円状に大きく曲がっている。コルク抜きのような細かいらせんは右巻き。左巻きと右巻きの2つのらせんを回転させて推進力を生み出す。しっぽのような半円の回転は運動中のバランスをとるのに必要だと考えられている。病原性レプトスピラが運動性を失ってしまうと、感染力が弱まる。生育の主なエネルギー源は長鎖脂肪酸。
(東北大学 中村修一)