急速凍結レプリカ法
2015年09月29日|可視化装置|技術開発・支援, 顕微鏡法
技術名
急速凍結レプリカ電子顕微鏡観察法
特徴
動いている細胞やタンパク質を生きたまま瞬間的に凍らせて電子顕微鏡で立体的に観察できる。
説明
急速凍結レプリカ電子顕微鏡観察法では、動いている生体分子やそれらが集まった高次複合体、細菌、細胞などを瞬間的に凍結して1ナノメートル(10 億分の1メートル)の空間分解能とミリ秒(1000 分の1秒)の時間分解能で観察することができます。写真は酵母の胞子(緑色)と細菌(茶色)で左下の白い棒は1マイクロメートル(100 万分の1メートル)です。
原理
(1) ガラスなどの平面に置いた生体試料を液体ヘリウムなどの冷媒で冷やした銅ブロックにたたきつけることで、氷の結晶を形成することなく試料を凍らせます。
(2) 凍ったまま、ナイフで削ったり氷を蒸発させたりして、凍った試料を露出させます。
(3) 白金を斜めから吹き付けることで露出した生体試料の複製(レプリカ)をとります。
(4) レプリカに炭素膜を重ねて試料からはがし、透過型電子顕微鏡で観察します。
メモ
文部科学省科研費・新学術領域「運動超分子マシナリーが織りなす調和と多様性」では、急速凍結レプリカ電子顕微鏡観察法の技術開発・支援・普及、をおこなっています。興味をお持ちになられた方は、以下のサイトをご覧ください。
新学術領域「運動マシナリー」総括班(大阪市立大学)による急速凍結レプリカ電子顕微鏡観察法の活用 Facebook
https://www.facebook.com/freeze.fracture
(大阪市立大学 田原悠平)
ビデオ
・急速凍結のビデオ
・急速凍結直前、吸水過程のビデオ
・凍結後のシャドーイング過程のビデオ