生体運動マシナリー図鑑

CrfC

2015年09月29日|タンパク質, ,

タンパク質名

CrfC

 

局在

細胞中央(複製フォーク部位)および細胞クォーター部位(上図はCrfC-GFPの局在を示している)

 

機能

染色体DNAの均等分配。複製フォークと局在するCrfC分子は新生DNA鎖同士を接着させる。細胞クォーター部位に局在するCrfC分子の機能は現在不明。

構造(説明)

 

 

 

CrfCはダイナミン・ホモログである。真核細胞ダイナミンは多量体でらせん構造を形成し、細胞膜に結合する。そしてGTP加水分解に依存して多量体が縮小することにより膜分裂や膜構造のリモデリングを進める。原核細胞のダイナミン・ホモログとしてBDLP(Bacterial dynamin-like protein)がシアノバクテリアで見出され、その結晶構造が報告されている(Nature 2006; Cell 2009)。BDLPとCrfCの一次構造を比べると特にGTPaseドメインで相同性が高い(図1:緑色)。一方、CrfCは疎水性残基クラスターからなる膜結合モチーフをもたない(図1:水色)。さらに、CrfCはDNAポリメラーゼのDNA結合サブユニットであるクランプとの結合部位をN末にもつ(図1:青色)。CrfCはダイナミン同様、ダイマーを含む多様なホモ多量体を形成する。GDP結合型BDLPの結晶構造を図2に示す。

 

構成因子

クランプ:DNAポリメラーゼIIIホロ酵素のDNA結合サブユニット。安定なホモ2量体でリング構造を形成する。リングの中空部にDNA鎖を通す。
CrfC:染色体分配因子。ダイナミン・ホモログ。クランプ結合因子。CrfCホモ多量体は複数のクランプ分子と結合する。CrfCはクランプ結合依存的に複製フォークと共局在する。CrfCは、新生DNA鎖(姉妹複製フォーク)の接着に必要とされ、さらに、新生DNAの移動や均等分配にも必要となる。

 

説明

  姉妹複製フォークの接着の分子機構を図3に示す(Ozaki et al., Cell Reports (2013) 4(5), 985-995)。
1)クランプはリング上の形態で中空部にDNA鎖を通す。DNA複製中は、DNAポリメラーゼ複合体のサブユニットとなっているが、DNA複製完了後DNAポリメラーゼ本体が解離してもDNA鎖に残留する。ラギング鎖では短鎖DNA(岡崎断片)が繰り返し合成されるため多数のクランプがDNA上に残る。
2)CrfCホモ多量体は複数のクランプ分子と結合する。これにより新生DNA鎖を接着させる。
3)この接着の次の段階として姉妹DNAが移動し均等分配される。この段階に細胞クォーター部位に局在するCrfCが関わる可能性がある。

 

メモ

http://dx.doi.org/10.1016/j.celrep.2013.07.040
http://www.phar.kyushu-u.ac.jp/bbs/view2.php?S_Publ_Year=2013&word=&page=1&B_Code=178
(九州大学 片山 勉)

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