生体運動マシナリー図鑑

ボツリヌス菌

2015年10月09日|原核生物, ,

ボツリヌス菌_拡大

学名

Clostridium botulinum

クロストリジウム・ボツライナム

分類

真正細菌 (Firmicutes Clostridia 綱 Clostridium 属)

 

サイズ

長さ   4 〜 6μm    幅 0.8 〜1.2 μm

特徴

自然界で最強の毒素とされるボツリヌス毒素を作る。やや大きな細菌で、ベン毛で泳ぐ。

説明

A型ボツリヌス毒素_3Dモデル

A型ボツリヌス毒素 3Dモデル 

ボツリヌス菌は、自然界で最強の毒素とされるボツリヌス毒素を作る細菌です。ボツリヌス毒素はボツリヌス食中毒など、ボツリヌス症の原因となります。ボツリヌス毒素には7つの血清型(A、B、C、D、E、F、G) が知られています。ボツリヌス菌の多くは1つの血清型の毒素を作りますが、2つ以上の血清型を作るものもいます。ヒトのボツリヌス症はA、B、E、F型で起こる場合がほとんどです。

 

出現場所

ボツリヌス菌 -2

ボツリヌス菌は土壌中に存在しています。グラム陽性の偏性嫌気性菌で、酸素があると増殖できません。酸素濃度が上がったり、栄養状態が悪くなると芽胞を形成して休眠します。缶詰や真空パックの食品中ではボツリヌス菌が増殖することがあります。ボツリヌス菌が増殖した食品中には毒素が産生されているため、食べるとボツリヌス食中毒になります。はちみつには土埃などと一緒にボツリヌス菌の芽胞が少量混入していることがあります。大人が少量のボツリヌス菌芽胞を飲み込んでも、腸内細菌がたくさんいるので、ボツリヌス菌が増えることはありません。しかし、1歳以下の乳児は腸内細菌フローラが未発達なため、飲み込んだ芽胞からボツリヌス菌が増えて乳児ボツリヌス症を発症することがあります。乳児にははちみつを食べさせてはいけません。

 

メモ

ボツリヌス毒素は神経伝達の遮断によって筋肉を弛緩させる強い神経毒素です。生物兵器として利用される可能性も心配されています。しかし、低濃度で使えば有用な場合もあります。美容のためのしわ取り薬(ボトックスの製品名が有名)や、筋肉を弛緩させる薬としても使われます。

(国立感染症研究所 見理 剛)

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