生体運動マシナリー図鑑

高圧力顕微鏡法

2015年10月05日|可視化装置,

高圧力顕微鏡

 

技術名

高圧力顕微鏡

特徴

高圧力下にある実験サンプルを実時間で観察できる

説明

細胞内にある物質のうち約7割は水分子です。水はタンパク質やDNAをはじめとする生体分子を取り囲み、複雑な立体構造形成や酵素活性などの化学反応に深く関与しています。高圧力下をかけることでタンパク質と水の相互作用が変わるため、生きた細胞内にある分子の構造や働きを大きく変えることができます。

高圧力顕微鏡

 

原理

高圧力顕微鏡(原理)

 高圧力チャンバーに実験サンプルを封入し圧力をかけながら、チャンバー内部を顕微鏡で観察する簡単な仕様となっている。高圧ハンドポンプを文字どおり「手動」で動かすことで、チャンバー内の圧力を地球上で最も深い場所である太平洋のマリアナ海溝チャレンジャー海淵最深部(約11,000m)の静水圧~110 MPa以上に増加させることができる。また、高圧力をかけながら、常圧力と変わらぬ解像度で観察できる性能がある。

メモ

(参考文献)高圧力顕微鏡 参考

高圧力顕微鏡 参考2

 

・西山雅祥, 曽和義幸 “細胞内の水で生命活動を操る! –高圧力下で観るタンパク質水和変調イメージング–” 化学 68(9): 33-38(2013).

リンク先:http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/178909

 

・西山雅祥 “バクテリア・べん毛モーターが高圧力下で逆向きに回り出す!?” 生物物理53(5): 264-265(2013).

リンク先:https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys/53/5/53_264/_article/-char/ja/

(京都大学 西山雅祥)

ビデオ

http://bunshi5.bio.nagoya-u.ac.jp/~mycmobile/video/detail.php?id=137

高圧力下ではタンパク質と水の相互作用が変わるため、分子構造や機能活性が大きく変化する。この原理を用いた高圧力顕微鏡法により大腸菌べん毛モーターの回転運動を観察したところ、高圧力下では回転の方向性が大きく変化することが明らかになった。実験に用いた大腸菌は走化性応答因子CheYを欠失しているため、通常は反時計方向(青色)にのみ回転するのだが、それ以外にも反時計方向(赤色)、どちら向きにも回転(緑色)、回転を停止(黒色)が観察された。べん毛モーターには自動車のクラッチのように回転方向を制御する部位があることから、高圧力下ではこの部位の分子構造が大きく変化しているののではないかと推察される。

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